提燈


安楽寺




製作する動機となったのは葛飾北斎の龍虎の提灯を見たときだ。自分も描いてみたい。大きさは50センチに満たないサイズだったと記憶している。

「提灯をまず買わなければっ」、そう思うとすぐ京都で売ってるところに交渉しに行った。

5店舗くらい回ったところで、どうも浅草寺の雷門の提灯は京都で製作している情報を得る。その日のうちに京都柳馬場の高橋提灯のお店にメ-ルして後日
ショ-ル-ムにお邪魔させてもらった。「龍の提灯が描きたいので白い提灯売ってください」
私は最初こういう言い方で受付の女性に伝えた。

まだ種類などまったく知らなくてただ描くという事だけでここまでやってきてしまったのだから、受付の方に「又どんな素材大きさか決まったら来てくださいね~」
と言われて帰りかけたその時、たまたまお店の奥から社長が出てきて「んじゃ山科の工房に来たら」と仰ってくださって後日自分の龍の絵を抱えて工房にお邪魔させていただくことに。

そこには4Mはあろうかという大きな提灯も製作中だった。そこで自分がどんな龍が描けて北斎の龍の提灯のような作品を作りたいのか話させてもらった。一通り聞いて社長は
「直径90X120センチ丸玉(三尺)の提灯を売ってあげるから描いてみなさい」と他、道具一式提供お借り出来ることに。飛び込みでドキドキしながらここまできてしまったけど。
「自分も描けるっ」その時の帰り道の高揚感は今も忘れない。

それが、高橋提灯社長との出会いでこの提灯が出来た時のスト-リ-。その後、虎も作ることになるのだけれど。龍の提灯以後、社長には個展の時などいつもお世話になってばかりで未だに恩返しできずにいる。いつかかならずこの御恩お返しします。

高橋提灯さんのHP